「卵は100円が適正価格?まだヴィーガンになれない私たちのはじめの一歩」というスペース
(告知ツイート)
について、画像と説明の概要を置いておきます。(後半は、鶏を飼い始めた私によるつれづれ)
「動物福祉と倫理的消費」をテーマにした堀越けいにんさんのお話を聞いてきたことを伝えたい、ということでのんこさんとスペースを企画しました。
● 講演の概要
一度衆議院議員になって、動物福祉について国会で質問してくださっていた方です。私は今回初めて知りました。(コロナにマスク不要と思っていらっしゃる方のようで、そこは残念に思っています)
また国会に戻ってほしいです。(「民主主義って何だっけ?」という書籍を発売されるようです)
猫のTNR活動(捕獲、手術、リリース)もされているとのこと。
野良猫の環境は苛酷ですが、保護→譲渡では終わりがない、蛇口を閉めないと……そして地域猫として耳先をカットし(手術済の証)一代の命を見守ろう、というものです。(私もそうした地域猫活動家の方から猫を譲渡してもらいました)
多頭飼育崩壊もポピュラーで複合的な社会問題です。手術もせず飼っていて100匹以上が家の中で放置され、飼い主の入院などでエサが途絶えると子猫から食べられている……といった状況があります。
食の安全、ってよく聞きますが、その対策はアニマルウェルフェアと切っても切れない……というかほぼそのもの、というお話をこれからします。
フォアグラは残酷……というのは有名かと思いますが、屠殺4ヶ月前から1日3回強制給餌というものです。これは非常に伝統のある食べ物で、紀元前2500年から食べられているとも言われていますが、元々は、長距離飛行するカモにたまに脂肪肝があった、という珍味であったはずが、アヒルの胃に食べ物を流し込んでまでたくさん作りたい……というところに歪みがあると感じます。
こんなに伝統のある食べ物なのに、なんとフランスですら半数が強制給餌に反対しています。こうしたことから価格が下がると何が起こるかというと、日本に入ってくる、ガストで安く提供される……となってくる。
ではほかの食べ物はどうか。
どれも工場畜産という面では同じ残酷さがあります。日本は世界的に見ても過密。でも「かわいそう」では日本の政治は動かない。女性が政治の場にいれば、かわいそう、だけで動けるのだと思う。男性にはデータに基づいた根拠が必要。だから集めました。
ここでアニマルウェルフェアとヴィーガンについて整理します。
ヴィーガンは、動物からの搾取をやめようという立場。
アニマルウェルフェアは、動物は最終的に利用しますが、動物の尊厳に配慮しよう、という考え方。
人間がされて嫌なことは、動物も嫌。
飢餓と渇きからの自由とありますが、例えば屠殺場には水飲み場がない。
鶏は27、豚は30の言語があると言われている。豚は非常に知能が高く、音楽で落ち着くことがわかっている。のみならず、歌います。(動画再生あり)
そんな動物たちが、歯、しっぽを無麻酔で取られています。
つなぎ飼育73%とありますが、この縦長の輪っかに首が嵌っていて、立つか座るかしかできません。頭が同じ方向に向いていた方が管理しやすい、搾乳もしやすい、例えばしっぽが人間の目に当たったら失明するかもしれない……ということで断尾も20%で行われています。牛の尾は人間の手のようなもので、虫を払えなくなるのでストレスがかかります。北海道のように土地があってもほぼ繋がれています。歩けないと、人間でもそうですが、関節面に栄養が行かないので関節炎になり、立てなくなり、褥瘡ができ、もちろん治療されず処分されます。このように「つなぎ飼育」という言葉の響き以上の残酷さがあるのに、牛乳のパックなどには放牧のイメージが使われますよね。写真はイメージです、ではなくフィクションです、というべきです。年に40軒の酪農家が廃業していると言われていますが、農業への転換に補助金を出せばいいのにと思います。
日本には飼育面積の基準がなく、世界的にも過密飼育です。ブラジルが意外と薄く飼っているのは、規制の厳しいEU向けの肉を作っているせいでもありますが、日本向けとEU向けでは違う環境で飼育しています。EU向けにはホルモン剤を使えないが日本向けには使える、グリホサートも日本向けは多い、といったことがあちこちで行われています。
動物の尊厳に配慮した畜産では、人間の精神的苦痛も軽減されます。
一般的な養鶏場の様子です。
鶏は元々春に20〜30個の卵を産む動物ですが、今は300〜350個産むように改良されており、骨がもろくなるなどの弊害があります。
日光を浴びるべきですが、浴びることはできません。
卵の価格安定のため、卵が多く産まれる時期の前に鶏を殺処分するようなことにも税金が使われています。
この工場畜産というものが、
ウイルス、薬剤耐性菌、食の安全、地球環境の問題、人権につながっています。
ひとつずつ説明します。
人への感染が確認されるウイルスは年々増えています。
動物の過密飼育が、地球に病気を増やしています。(感染を繰り返すことで強毒化します)
人が健康でいるためには、動物も環境も健康でなければならない。
ワンヘルス、ワンウェルネスという考え方です。人だけが健康でいることはできないと思います。
鳥インフルエンザも、卵の値段が上がったね、で終わりにできる問題ではありません。人間への感染も出ています。今後6千万〜5億人が死亡するとも言われています。政治が長期的視点で物事を考えられないのはおかしい。人が死ぬことがわかっているのだから、予防を考えるべきです。
鳥インフルエンザが養鶏場で発生すると、その養鶏場の鶏をすべて殺しているので、7000羽〜8000羽を殺すことになりますが、そこで働いている人は2〜3人なので、自衛隊や自治体職員が駆り出されます。危険な仕事ですが、1日の手当は700円と聞いたことがあります。
豚も病気が出ると同じことをしますが、鳴き声が悲痛なので自衛隊員にPTSDも出ています。
ぎゅうぎゅう詰めだと抗生物質なしには飼えないのですが、そのせいで抗生物質が効かない耐性菌が増えています。それによる死者予測もがんを抜いて死因の1位になるだろうと言われています。
なので、EUでは、動物に抗生物質を使うのはやめようという動きが出ています。
日本は今でも耐性菌で年に8000人が亡くなっているのに、対策しようとしていない。
予防にお金をかけない(予防をしても病院が儲からない)というのも政治の問題です。
イギリスは珍しく皆保険のある国ですが、例えば歯科のクリーニングは国の補助が手厚いです。しかし虫歯になると自費が高くなる。なので70%の人が月に一度クリーニングに行くといいます。日本は誤嚥性肺炎が多いとなると、何故か口腔ケアではなく肺炎ワクチンで対応しようとする。政治が機能していません。
だから、例えば食肉からの薬剤耐性菌の検出率は、輸入品より国産品で多いです。
様々な面から、国産品が安心、という時代ではないと思います。
よくジェット機が地球温暖化を悪化させていると言いますが、もはや家畜が増えすぎて運輸部門に匹敵しています。牛からはメタンガスが出る等。
人がどんどん肉を欲しているので、家畜が増えすぎています。気候変動を解決するためには、家畜を大幅に削減することが必要です。
現在地球の人口は80億人を超えていますが、食糧は120億人分作られているのに、10億人が飢えていると言われています。作物を家畜ではなく人に食べさせれば食糧は足りているということです。
牛肉を1kgつくるのに、トウモロコシが6〜20kg必要と言われています。
穀物のために地下水を汲んでいますが、世界的な地下水の枯渇が迫っていることがわかっています。既に食糧価格が3倍になり暴動が起きている国があります。食べ物を輸入に頼っている日本も他人事ではありません。
日本の工場畜産は世界から批判されています。
鶏をバタリーゲージで飼うのはやめろ、止まり木のある環境が望ましいと。
国会で質問したところ、当時の吉川農林水産大臣は「生産者の意見を聞きつつやっていきます」と答えた。そして鶏卵会社の元代表からの500万円の賄賂が発覚した。政治家に対し、アニマルウェルフェアに配慮していては養鶏業者はやっていけない……という要望があり、賄賂がある。これに対抗できるほどの民意がないといけないということです。
EUには国際基準より厳しい基準があるが、国が率先して良いことをしてくれることはない。国は必ず、民意以上のことはしない。海外にはアニマルウェルフェアについての民意があるが、日本にはない。でも、人は知れば気にかけるものだと思う。
ちなみにこれが、放牧の様子。メスだけなら市街地でも飼えるが、オスも飼うならば、午前3時から大声で鳴くため、山奥でないと飼えない。オスはご飯をあげても見回りをするためメスが食べ終わってから食べる。ミミズをとってもメスにあげる。
ケネディが提唱した消費者の権利というものがあります。私たちには、よりアニマルウェルフェアに配慮した商品を選ぶ権利があります。
スーパーのお客様の声なんて苦情ばかりですから、感謝やお願いごとを書くと、わりと叶えてもらえます。ほんの数日で放牧卵の入荷が決まりました。でもスーパーも、売れなければ置き続けることができません。
友達にお菓子を買っていく代わりに、信頼できる卵を買っていくなど、いいものをおすすめしてほしいです。私たちの毎日の買い物は、投票のようなものです。スーパーで、通販で、応援したいものにお金を払う。これにものすごく大きな力があります。
植物性のお肉のおすすめですが、まずは「肉らしい豆な嫁」。おいしいです。
ひき肉ならアリサン。
いずれも冷蔵しなくてよいので便利です。
動物を撫でるとうつ病が減る……といったことは知られていますが、そうした愛情以上に幸せの土台となるもの、それが心と体の健康です。良いことをしている、動物をむやみに殺していない……といったことが自身の幸せに繋がります。
世界を変えるには、1人の100歩より、100人の1歩。
また望まれれば選挙に出るかもしれませんが、がんばるのは僕ではなくみなさんですよ、とのこと。
全国、どんなに少人数でも講演に応じてくれると思います、ぜひチェックしてください。インスタアカウントあります。
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以上が講演ダイジェストです。
●講演を聞き、発信して思ったこと
この講演、肉食をやめるべき理由については元々知ってる内容がほとんどでしたが、海外の動きなどいろんな話題がまとまっててすごく良いなと思って、これはやはり人に伝えないと、と思いました。でも身の回りに取り急ぎ画像を共有したら、のんこさんにしか受け入れられなかった。
平飼い卵を買い続ける余裕はないと。
私も「せめて卵は平飼いを買おう」とかツイートすることがありましたが、それは「今の消費量を保ったまま平飼い卵を買おう」という話ではなく、卵って別に食べなくてもいいし、減らしてもいいし、食べたかったらせめて平飼いを買ってほしい、平飼いもそんなに良いものとは限らないけど。今より食費を上げてほしいのではない、ヴィーガンは必ずしもお金がかかるわけじゃない、肉を模したものなど高いものもあるが、インドの豆カレーや日本のご飯お味噌汁納豆など、地域で当たり前の食べ物もまたヴィーガン食だし、肉魚卵を食べましょうという私たちが聞いて育った栄養学は絶対のものではない……と言いたかった(伝わるわけない)。
でも、卵がすごく身近で、美味しくて大好きで、冷蔵庫に必ずあって、貴重な栄養素だと思ってて、安くて調理簡単で助かると思ってて、毎日のメニューを変えるのってすごく大変……というのはそれはそうだなと思いました。金銭的な余裕だけでなく、時間的、精神的余裕や個々の事情(アレルギーや家族の考え方など)も含めて、「よしやろう!」と今思えない人を責めてはいけない、「食べなくてもいいじゃん」と言えるのはやはり特権的だなと思っています。
このように、対「人」では特権的な面がありますが、対「動物」に対してはやはり人間に特権がある……桁外れの特権が。
(ヴィーガニズムに賛同したり高い卵を買ってる人って、現金収入があまりない方など、社会的に弱い立場におられる方もかなり多い印象です。もちろん都会では高所得者ほど野菜や果物を食べているとも思いますが)
特権と思い至って思い出したのが出口さんの話です。
“特権”を自覚し、マイノリティーのために活動したり始めた段階の人は、ふんばりどきです。(中略)すごく揺らいでいる段階です。
だから私はその段階の人には、「独りでそこにいないでください」と伝えています。同じような段階にいる人と連帯して、本音で語り合える仲間をつくることが大切です。ここは、集団でないと乗り切れないと言われています。
そうだ、ひとりじゃ難しいんだ。スペースをして、反応をいただけて、今私はこんな状態です、これおすすめです……という話を何人かの方と共有できて、本当に嬉しいし、これからも連帯して、輪を広げていきたいです。また、どんな段階にいても、安心して話してほしいと思いました。
教えていただいて早速買ってきた、バター代わりのプラントベースのスプレッド。
すごく美味しい!パンにするする塗れる。なんとパーム油も入ってない。バターもマーガリンも食べてなかったけど、これからも買おうと思いました。もう少しお手頃で手に入り易いものとなるとライフのヴィーガンスプレッドがおすすめとのこと。
のんこさんに教えていただいた、ヴィーガン入門にぴったりの雑誌HUGも読みました。
「まだ子どもが小さいから菜食は難しいと言い訳したりしてたけど、もしかしたら子どもだって成長して物事がわかるようになったら、動物性食品食べたくない、なんで食べさせてたんだって思う可能性もある」というお話もはっとしました。
香害と似てる部分があるね、
保育園の基準や噛みつきとも通じるね、といったお話もありました。
スペースで話しましたが、何年も前にホテルのアフタヌーンティーを予約したときに、メニューにフォアグラがあったので事前に抜いてもらいました。さすがに、この期に及んで、わざわざフォアグラを食べるってことはないな……と思って。友人と4人の予約で、友人にも話しましたが、ひとりは「私も好きじゃないから抜いてもらおう」と言っていました。
スーパーや通販で買わない以上に、「あ、人気ないんだ?」と直接人に伝えられるシーンはチャンスかもと思いました。
●アニマルライツ(≒ヴィーガニズム)とアニマルウェルフェア(動物福祉)
ところで、講演を聞いて私が一番はっとしたのは、「アニマルウェルフェアは動物を利用する前提の考え方である」ということでした。
どれも知っているようでいて、整理できていなかった。
アニマルウェルフェアは動物福祉と訳されますが、確かに日本語の「福祉」も、ある程度管理下にある集団に対して用いられる言葉な気がしますね。この言葉がほぼ「(家畜の)動物福祉」を指し、アニマルライツ(≒ヴィーガニズム)とは違う概念なのだなと気付きました。
だから、「卵を食べるのやめよう!」じゃなくて、「減らして、選んで、代わりのものも食べよう。そして、個人の消費の話に加えて、政治の話として広めていこう」という結論になり、間口が広いと感じました。
でも、本当に肉や卵を食べるのをやめなくていいのか、とも思いました。
① 工場畜産は悪である
② 人道的畜産もまた搾取に他ならない
①は否定のしようがないと思います。
単純に社会の機能不全であり、資本主義の弊害であり、人権侵害であり、政治の崩壊であり、持続性がない(=人類滅亡を早める)ものです。
ヴィーガニズムの介入が不要なほど擁護の余地がないと感じる一方、
「かわいそう」という自然な感情だけで改善されるべき問題だとも感じます。だって、見たら加担できないのに、見えないだけなので……。(でも世界中の悲劇が目の前に見えたら生きていけないですよね、自分と無関係なことなんてほぼないのに……とも思います)
②も99%同意です。
しかし、工場畜産という人類史最大の暴力が日常の隅々にまで行き渡った世の中で、
人道的畜産を全否定することが現状改善の近道だろうか、というと、議論の余地がある気がします。だからこの講演があるし、世界的な潮流があるわけですよね。(既存施設については、少しずつ飼養基準を厳しくするお金があったら農業等に転換すべき……とも思いますが)
少なくとも、①で連帯できて②で連帯できない相手を攻撃することはないのではと思います。
私がびっくりしたのは、講演にはアニマルライツセンターの方(ヴィーガン)もいらしていて、堀越さんと仲が良かったことです。
私はずっと、ヴィーガンの方は家畜の福祉向上には興味がないと思っていたからです。「家畜を無くそう」と「家畜の福祉を向上させよう」って、やはり違うもの……家畜がいなかったら福祉の向上もないので。堀越さんも、ヴィーガンの方に悪く言われることがあるとおっしゃっていました。でもそうしたヴィーガンの方ばかりじゃないんですね、アニマルライツセンターは今、動物愛護法に関する議員連盟のアンケートに畜産のことを盛り込んで欲しいと呼びかけています。まさにアニマルウェルフェアについて発信している。(最後にリンク貼ります)
●養鶏のグラデーション
ところで、「人道的畜産(または狩猟など、搾取全般)」には、大きく幅とグラデーションがあると思います。解像度を上げるために少し養鶏の話をします。
おおまかに、下記の5パターンの例があるとします。
A 工場養鶏(日本の95%はこれ。バタリーケージとする)
B 平飼い(ほぼエイビアリー方式。屋内多段飼いで風や太陽光が届かない。「平飼い」という語感ほど良いものではないことが大半だが、ゆえに全国のスーパーにわりと並んでいるのだと思う)
C 自然養鶏、放牧(明確な定義はないのかもしれないが、ここでは光や風の入る小屋に屋外運動場がついたものとする。講演の写真のように野山を駆け回れるケースはごくごくごく稀。ひとつ100円くらい)
D 庭先養鶏 (ヒヨコ購入で終生飼育)
E 庭先養鶏 (ヒヨコ非購入で非終生飼育)
このうちA〜Dでは、「オスヒヨコを生まれてすぐ、苦しい方法で、他人に殺してもらっている」という状況があります。窒息死ですらなく、ただ要らないオスを積み上げての圧死も多いようです。
(EUでは孵化前にオスを見分けようという研究が進んでいるようですが、孵化前であっても苦痛を感じる段階ではという議論もあるようです。この差よ……)
A工場養鶏〜C自然養鶏では終生飼育もほぼなく、約2年で淘汰されますが、それも鶏肉としてスーパーに並ぶことはなく、ペットフードか謎肉になるようです。(かたい肉だけど、これをもっと人が大切に食べよう、という動きもあります)
E 庭先養鶏(ヒヨコ購入なし)は、オスも飼い、自分の家で卵を孵化させ、オスが半分生まれるが、オスのほとんどはある程度の日齢で殺して食べる……という形とします。1950年頃までの当たり前の庭先養鶏。オスは午前3時から大声で鳴くので、山奥でないと飼えませんし、生産者としても遺伝的に管理されたヒヨコを仕入れずに収益をあげるのは難しいと思います。(ごく一部の自然養鶏ではオスも飼っていると思いますが)
ヒヨコから可愛がったオスなんか殺せないし、卵を産まなくなっても終生飼育します……というDの庭先養鶏が増えていると思いますが(私もここに入ります)、より倫理的なのはオスを自分の手で(なるべく苦痛のない方法で)殺すことでは、と私は思います。私には難しいです、鶏は飼うと本当にかわいいので……(後述)。
そしてEの自家繁殖であっても、どんなに大切に飼ったとしても、そもそも年間300個は卵を産むよう改良された鶏がほとんどなので、鶏に過度な負担があると言えます。
ちなみに養鶏では、やり方によっては地域のゴミ(おから、米ヌカ、くず米、出汁ガラ……)から良質な肥料(鶏糞)ができるという、循環を実現することができます。
庭先養鶏を始める方の動機は様々で、「家族に安全な食べ物を食べさせたい」「肉や卵を自給したい」が多く、次点でSDGsや食育という印象で、鶏の飼育環境がいたたまれず……という人は少ないのかもと感じていますが、動機のすべては繋がっていて、複合的なものだと思います。
ちなみにA工場養鶏のほとんど……と、B平飼いの一定割合はおそらくデビーク(断嘴)といってヒナのクチバシを切ります。互いをつつき殺さないようにと当たり前のように行われていますが、人間であれば手を切られるようなもので、粉状のエサしか食べられなくなり、毛繕いも何もできなくなります。そしてA工場養鶏は1羽あたりB5サイズのスペースから生涯出られません。「あれ(バタリーケージ)は餌場なんだと思ってた」という感想も聞きましたが、あそこから毎日一歩も動けず、時に苦しんで死に、生き延びてもB5以上にぎゅうぎゅう詰めで運ばれて殺されます。こうした環境では7000羽〜8000羽を2〜3人で世話します。餌も水も自動、卵の回収も自動……という環境で人間の仕事は何かと言うと、死体の回収と機械のメンテナンス。そこに就職したいと思えないですよね、だから現場に日本人はほとんどいないとのこと。技能実習生がどんどん日本を見放している今、食の未来がないなとつくづく感じます。卵も何もかも、食べられなくなる……。
以上を踏まえて、A〜Eのどのあたりの卵なら食べようと思えるかは人それぞれかと思いますが、卵はせめて、C自然養鶏の1個100円と思ってていいよね、それもやめるにこしたことないけど……。と発信したくてスペースのタイトルとしました。B平飼いは果たして「人道的畜産」か。A工場養鶏よりはね。Aの消費を避けていきませんか……といった、グラデーションのある話だと思っています。Bの平飼い卵を買えば100%安心!ではない。
一方、アニマルライツの考えでは、養鶏は廃鶏レスキューに限ること。新たに卵を孵化させたりヒヨコを買ってはいけない……ということになります。(犬猫と同じですね、後述)
●持続的、道徳的な搾取
ヴィーガンのほとんどは、先住民族の生活を否定しないようです。イヌイットにとってのかつてのアザラシとは違って、現在の関東地方で鶏卵は生存に不可欠ではないものですが、ある程度持続的で人道的な搾取は、動物として自然なことのような気もします。
ヴィーガンは養蜂も否定するものだと思いますが、蜂を慈しんでいる養蜂家を見ていると、やはり養蜂にもグラデーションがあると感じます。牛にも豚にもヤギにもあるでしょう。
人権の話をしていると、白か黒かという話になりがちですが、動物のこととなると……鶏が虫を食べるように、0か100かではないように感じます。ヴィーガンに対し粗探しをして「0じゃないじゃないか」と攻撃しても仕方ないし、0になれないからと自暴自棄になったり自分を卑下することもない。
「自分はヴィーガンだけど、ヴィーガンじゃない友達に放牧卵をおみやげにしよう」など、ヴィーガンと人道的畜産はいろんな共存の形があると思いました。
ただ、今身の回りに溢れている動物性食品は、人間という動物にとって「自然な」食肉を大きく逸脱していますし、私はヴィーガニズムを大枠では支持しつつ、せめて肉乳卵の購入をゼロに近づけたいと思っています。養鶏がどこまで行っても搾取であると自覚しつつ……。
●鶏を飼ってみて
私は自然養鶏をされている方とたまたま知り合い、廃鶏を譲っていただきました。試しに1匹……と思いましたが、この2匹は仲が良いので……と言われ2匹。(※とても社会性の高い動物なので、最後の一匹となる場合はよくケアすること……ということを知らなかった)約3歳ですが、歴史的酷暑でも1羽1日平均0.7個も卵を産みました。つまり1日1.4個も卵が手に入る。長年買ってなかったのに……。
一番驚いたのが、鶏を庭に放しても敷地からほとんど出ないことです。うちの鶏は1.5mくらいは飛べるし、わりと細い隙間からも出られるし、敷地の周りぐるりと鶏が出ないような囲いをするのは無理だな……と悩んでいましたが、何の囲いもなくてもほとんど出ないし、何なら日暮れや雨、卵を産みたいときに自分で小屋に帰ってきます。道路を挟んで存在する畑との行き来もできますが、何時間出していても敷地外には行かない。……これってすごくないですか。ハムスターやウサギ、室内飼いの猫、ほとんどの鳥、それなりの割合の犬、ヤギ、馬……つまりほとんどの動物にはできない芸当だと思います。鶏ってすごいなと思いました。
庭に放すと大喜びし、お気に入りの砂浴び場、雑草ゾーンなどを2匹並んで巡回し、お互いの顔に砂がかかるのも気にせず密着して砂浴びし、いい湯だなとばかりにうつらうつらします。雨が降れば軒で雨宿りし、人が雑草を抜けば、虫を目当てにすっとんで来ます。
夕方になると、まだ人間には明るく感じる頃から、小屋に自分で帰ってきて止まり木に飛び乗ります。
敷地面積と羽数の関係で除草効果はあまり見込めませんが、虫が出てきて憂鬱なコンポストの切り返しにも鶏は大喜びですし(ムカデすら食べます)、野良仕事の励みになります。作物によっては保護しないと食べられてしまいますが……。
2匹の性格も違い、片方は自立心があってマイペース、おっとりしていますが、虫を見ると俊敏で譲りません。もう片方は人間への警戒心が強いようで依存心も強く、相方の姿が見えなくなると人間に頼ってきます。
「おいしい!」「抱っこされて嫌でした!」「帰ろ〜」などずっとおしゃべりしています。
食べ物の好みもうるさく、お腹が減れば何でも食べますが、コガネムシの幼虫(白くてふっくらしたやつ)を食べ始めたらミミズすら食べなくなるし、「スイカよりスイカの種が好き!」と言ったかと思えば「もうそうでもないわ〜」と言います。「もうドクダミはいらない」「梨の皮初めて食べます!」「大根の葉が一番美味しい!」……猫には単一のキャットフードしかあげてないのに、なんと贅沢な……。本来はカボチャですら丸ごと置けば食べるそうです。うちは出来損ないのナスをあげても皮を残されますが……。鶏、つつかれても痛くないのでカボチャは大変だろうと思いますが、しつこくつつくのも娯楽なのだと思います。
譲渡から数ヶ月後、譲渡元に「鶏は100匹いれば1から100まで順位をつけて生活する」とも聞き、「じゃあうちの2匹はどちらが上ですか?」と聞いたら「あの2匹は……人間にはわからないですね」と言われました。「300羽もいて、よくあの2匹が仲が良いとかわかりましたね」と聞くと、「あの2匹はとにかく外に出たがるので、出してやるとつるむようになって……」とのこと。そうか、養鶏場でお手伝いしていたときも、あの子はずば抜けた熱意で脱走してたな(いずれ戻ってくるから追いかけなくていいと言われた)。脱走魔を譲ってくださったんだな……。おかげさまで楽しいです、確かに良い鶏、良い出会いでした。鶏の寿命は4〜7年とも10〜30年(?)とも言われますが、多くは2歳で殺してるのでよくわからないそうで、自然養鶏や庭先養鶏でも2〜3歳で死んでしまう子もそれなりにいる印象です。
ちなみに同時に育てた同種類の鶏でも、人懐っこさは個体差が激しいなと感じました。種による傾向もあると思いますが。知らない人(私)にも寄ってきて、撫でられていると座っちゃって、腕の中でもウトウトするような子もいれば、知らない人には全く寄り付かない子もいます。うちの2匹は人をあまり怖がりませんが捕まりたくはない、でもまあ捕まる……という感じです。捕まえられなくても誘導すれば小屋に入ります。
長く書きすぎましたが、どうでしょうか。犬猫のように、道徳的存在だと思わないでしょうか。私は元々鶏は可愛いと思っていましたが、想像以上でした。
今ふと思うのは、4000年かけて家畜化されてきたのに、ここ数十年は特に酷い生活をしてきたのに、豊かな習性が残っていることが、やるせなく、申し訳ないということです。
卵を年間20個産んでたのに350個産むよう改良され、卵をあたためたいという本能が修正されても、砂浴びしたい、夜は高いところで眠りたいという本能を持ち続けている。何十世代も土をかけ回れなかったのに、外に出されたら何時間でも土を掘り返して虫を追いかけまわしたい。その気持ちを尊重したいです。
誰もが一度は、「犬や猫は可愛がる人が牛や豚を食べるのはなぜだろう?」と思ったことがあると思います。私もずーーーーーっと思っていたのに、それで人生いろいろあったのに、ヴィーガニズムとは付かず離れず、積極的には食べないけれど、そんなにはがんばれない(ひとりだし)……という状態でした。
でもたまたま鶏を飼い、養鶏のことを少し知り、堀越さんのお話を聞き、自ら発信をしたことで、いろいろ繋がって、解像度が上がりました。これを読んでいらっしゃるみなさんにもそれぞれの物語があると思います。私のこの記事もお役に立てたら嬉しいです。
やはり売られているからといって買っていいものではない。人が動物を食べるのはある程度自然なことかもしれないが、スーパーで売られている動物は自然ではない。という気持ちを新たにしました。自分では買わない、をもっとがんばろうと。
● 栄養学の話
じゃあヴィーガンやって本当に大丈夫?というところを少し。(実践論はないです)
一番有名なのが、ヴィーガンはビタミンB12をサプリから摂るしかないから「不自然」だ……というものかと思います。
ビタミンB12は、土に住むバクテリアが作り出すビタミンで、本来、動物も土から生えている草を食べることで摂取しています。しかし現在、人も動物も土から離れて生きているので、みんな足りていない。動物にサプリを与えているというのが現状です。だったら人間がサプリを飲めばいいですよね。(うちの鶏は土をたくさん食べているので添加が要らないんだな……)
Netflixのゲームチェンジャー(スポーツ栄養学の真実)もおもしろかったです。肉食って少なからず体に悪い面があるのだなとも思いました(もちろんメリットもあると思います)。この予告動画、「肉食は男らしいと洗脳しているが現実ではなくマーケティング」と、何とシュワルツェネッガー氏が言っています。重量挙げのアスリートですら菜食にして記録が出たと言っています。ヴィーガンは細いイメージがありましたが、ムッキムキにもなれるんですね。上記ビタミンB12の話も出てきました。
私は「鶏には塩をあえて与えるべきか」に結論を出せず、調べたのですが、「人間の残飯を与えても全く問題ないし、塩の添加が必要だという考えが主流だが、与えなくても(少なくとも虫や草を食べていれば)特に問題ない」という結論に至りました。なぜなら、人間についてすら充分なデータがないことに気付いたからです。
>減塩すると、高血圧の人では血圧が少し下がる(ただし高血圧による病気は減らない)
>減塩により逆に血圧が上昇し危険になる人々もいる
>高血圧患者の半数以上は減塩しても降圧効果はない
……いや、私は身近で、おそらく減塩でめちゃくちゃ血圧下がった人を知っていますし、腎臓のためにも塩分には気をつけていますが、例えば人間では5g以下推奨、1gは摂りましょうと言われていても、1日1gと5gの場合の健康寿命の差のデータなんかあるわけないんだよな、と思っています。
動物の血液にはかなりの塩分が入っているので、肉食動物は塩分耐性があるというのも、猫のガラスの腎臓を思うと不合理ですし、草食動物は塩分を大量に欲するというのも……塩が摂取できる環境ばかりでないのに不思議です。
ところで、ほぼフルーツしか食べない方、中野さん、10数年を超え、まだ続けていらして、生涯続けられる予定なんですね。
果実の消費を増やすことが環境問題改善に繋がる……というのが動機。ここでもワンヘルスでは繋がっているとはいえ、そこからの果実食、ひいては(おそらく)ヴィーガン食なんですね。
食べ物は順次シフトしていて、肉の3年後に穀物、水(!)、酒、菜をやめて、その1年半後に加熱をやめて今に至る……タンパク値はバナナ、栗、アボカド、ナッツから摂っているが、とうとう腸内細菌が空気中の窒素からタンパク質を作り出したとか……。(真似しないでくださいとのこと)▶︎参照
私は個人的に骨密度が低かったので気になっています。
ヴィーガンは骨が弱くなることだけがデメリットとも言いますが、
肉こそ骨に良くないような記事もいくつか見ました。▶︎参照
とにかくミカンが骨粗鬆症に良いようなので、前述の中野さんの骨密度は異常に高いようです。▶︎参照
骨密度が高い=骨折しないではないですが。
● 自然卵養鶏法
大正9年生まれの著者による1980年に発行された幻の名著、2001年になんと加筆された増補版が出て、現在なんと第13刷で、なんと絶版じゃありません。歴史的名著。弟子入りもせずこんなこと教えてもらっていいんですか……たった2000円で……?と写経しています。
この本は、紛争や異常気象により燃料や穀物の輸入はいつ無くなるかわからないので、工場畜産はやめて、農家をものすごく増やそう。日本にあるもので養鶏をしよう。滅亡寸前の自然養鶏を復活させよう……という内容です。…………すごくないですか?1980年から1mmも進歩していない、むしろ後退している日本が……。
この本を読むと、今すぐ脱サラして農家にならなきゃ!そして農業のお供はもちろん養鶏!と思えるので鶏を飼っていない方にもおすすめです。
ぎゅうぎゅう詰めに飼って嘴を切るなんて残酷なことだ、過密飼育しなければ薬なしでも病気にならない、病気を恐れて部外者の立ち入りを禁止しなければいけないような養鶏は間違っている、嘴を切って輸入飼料を与えていないで、日本は雑草がいくらでも生える恵まれた土地なんだから雑草をやれ、やりきれない分は飼うな、つまり1人1000羽までだ、木(ノコクズ)を発酵させて食べさせれば糞は無臭になる、その糞は鶏が絶えず土ごと引っ掻き回すから自動的に肥料になるので掃除はいらない、少ないタンパク質でも何故か鶏は問題なく卵を産む、食べ物はまず自分でつくるべきで、余った分が売ってもらえるものである、卵なんかたまに食べるものだ、粗食で重労働が健康、養鶏は始めてすぐ日銭が入るからいいぞ……等。アニマルウェルフェアなんて言葉は出てきませんが、随所に鶏への愛情が感じられますし、まさにこれがワンヘルスだなと思いました。
●Q&A(ほぼ自問自答)
Q まだまだ世界に人権が行き渡ってないのにアニマルライツだなんてそれこそ歪んでませんか?
A そうですね、でも人間が動物を虐めてきたことについて人間が態度を改めるのは人間にしかできなくないでしょうか。また、人権とアニマルライツは繋がっています。人権を守ろうとしたらアニマルライツを守らざるを得ない、そういう関係だと思います。ワンヘルス、ワンウェルネス。
Q 肉はともかく、卵や牛乳は動物を殺さないよね?
A 肉の方がまだマシではとよく思います。
鶏なら鶏肉用は急速に大きくされ、たった2ヶ月で殺してもらえるので、2年間苦しむより良いような気もします。同様に、乳牛には乳牛の残酷さがあります。だって、なるべくお乳を出し続けるように生きろと言われたら大変じゃないですか?大変なんですよ。自然に出るときだけ、少し分けてくださいね、というものではない。恐ろしい効率化があります。乳製品大好きですが……。
日本人て犬猫でも殺すか殺さないかに注目しすぎの割に生きてる間のQOLにも殺し方にも無関心で、死生観が謎だなと思います。
Q 自分で高い卵を選ぶとか大変。生活が苦しい。私じゃなくて、政治が変われば良くないですか?
A 私もそう思います。外出先でパンもマヨネーズも食べられないの不便だし、疲れ切って頼むマックデリバリーがヴィーガン仕様だったらいいのに。でもその世界線では卵は100円以上のものしか売ってないでしょう。
Q ジビエなら食べていい?
A 一部の狩猟は、畜産よりは道徳的だった気もしますが(反金子みすゞ)、人間が数多の動物を絶滅させてきた今、「(近視眼的に見て)増えて困ってる動物ならいいよね」というのは短絡的かと思います。動物は増えてるしハンターは減ってるし大変なことになるぞ……という話に私も共感していましたし、深刻な現状はあると思いますが……。
私は以前、「(アメリカザリガニは)外来種だから殺してもいいよね?」と小学生に聞かれたことがあるのですが、「個人が何の理由もなく殺していい命なんかない。特定外来生物などを、在来種保護のために計画的に殺すことはあるけど……(それも正しいのかしらね……)」という説明をしたことがあります。外来種駆除のあり方も諸説あるようですね。
この方はジビエは持続不可能とおっしゃっています。
Q 譲渡って、どこからもらってもいい?
A 救助であればそうなのだと思いますが、私は譲渡って、譲渡元の支援という側面があると思います。たまにブリーダーやペットショップの売れ残りを安く買った、良いことをした……という話を聞きますが、それはやはり事業の肯定な気もします。
個人的には、
○自治体の保護犬猫
○地域猫、保護猫の団体
○保護猫カフェ
○TNRを行った個人
から犬猫をもらうことには肯定的ですが、
×ブリーダー
×ペットショップ
×野良猫が納屋で毎年子猫産むんだよね〜の個人
からはもらいたくないですし、
私は盲導犬に反対しているのでシニア犬引き取りもしたくないと思っています。なので廃鶏引き取りも、自然養鶏家からもらいたいし、そうしました。
なんの種類でも、幼体でなく成体や老体の譲渡は流行るべきだと思っています。
動物愛護にもいろいろあるのですが、不幸な猫について蛇口をしめたい、とTNRを中心にがんばる方もいれば、「人間から酷い目に遭った犬こそ、少しでも人が罪滅ぼしをして看取りたい」とセンターからの引き出しを中心にがんばる方もいます。
定年退職して犬でも飼いたいなという方にこそ、自分に合った性格の成犬や成猫、おすすめです。(60歳には0歳、65歳には5歳、70歳には10歳以上の子しか譲渡しません……といった団体もありますが、健全だと思います)
Q 犬猫の権利は?
A とにかく買わないこと。特にスコティッシュフォールドのような、苦痛が明らかになっている種の繁殖に反対すること。
野良猫が近くにいたらTNRを検討すること。
犬の散歩は犬主体で、ロングリードとハーネスを用いること。
犬をサークルで飼わないこと。
大型犬であっても「ハウス」などの「訓練」をしないこと。
犬が複数いる場合は1匹ずつ散歩すること。
6時間以上留守にする場合はよくその犬を知っている人にシッターを頼むこと。
……耳が痛いですよね、でもこれがパートナーとして尊重するという事じゃないでしょうか。牛豚のアニマルウェルフェアとひらきがあるな、あっていいのか?良いわけないな……というわけでこの方はヴィーガンです。Twitterをフォローして、ブログを読もう!▶︎Twitter
Q ヴィーガンは飼い猫に肉をあげるの?
A 必要なのであげるようですが、アニマルウェルフェアに最大限配慮された肉を入手し与えたりするようです。犬はどうも菜食で良いようですが、栄養計算は慎重に。(上記Twitterリンクの方を参照)
Q 家畜を否定したら、家畜がいなくなっちゃうのでは?
A 私もこれは犬で思っていました。余っている(殺している)から譲渡でのみ入手してください……って、ペットショップの展示販売だけでなく、すべてのブリーディングを否定するの?と。でもまあ、心配しなくても人類絶滅まで家畜(犬猫含む)はいなくならないでしょう。気付いた人から不幸な動物を増やさないことに尽力するしかない。純血種は奇形化が進んでいますし、ブリーディングにもたくさんの問題があります。
● アンケート
アニマルライツセンターが呼びかけているアンケートについて記載します。
犬猫の殺処分をゼロに!なんて小池知事ですら言うわけですが(展示販売禁止してから言ってほしい)、ずっと大きな規模の畜産については、「殺すための生き物」なので関心が薄いなとつくづく感じます。政治の場で発言してくれたの堀越さんくらいなんじゃ……。
家畜のことも気にかけている人がいることを示すため、ひとつでも多くの意見を届けましょう。
これだけは言ってほしい……とアニマルライツセンターの方がおっしゃられていたことを元に、テンプレつくりました。あとは名前とメルアドくらいです。
【要望事項(30字程度)】
動物愛護法に、畜産のことも罰則付きで盛り込んでください
【要望事項の説明(400字程度)】
① 飼育面積の基準が日本にはないのですが、せめて寝そべることができる基準をつくってください
② 動物は気絶処理をしてから殺してください
③ 動物のしっぽやツノを麻酔なしで切らないでください
ごもっともすぎませんか。
(犬猫についても絶対的に意見が足りてないので何でも届けましょう……)
アンケートはこちら。9月いっぱいです。よろしくお願いします。
● ここまでお読みいただきありがとうございました。
書いていて思ったのが、
ヴィーガニズムはもちろん実践が大事なのですが、まずは賛同で良いんじゃないかと思っています。私も長年賛同はしていて、最近見えるか見えないかの一歩を進んだだけで、全くヴィーガンではありません。
ペットショップで犬猫を買う人だって、犬猫殺処分ゼロには反対しないですよね。同じくらい、反対しようのないことだと感じます。
「ヴィーガンじゃないけど、その思想にはもちろん賛同しています。できることからやりたいです」と、どんな生活をしていても、今この瞬間から大声で言っていいと思います。みんながそう言えるようになったら、社会も変わるんじゃないでしょうか。